本記事では、個人事業主が作成する印鑑の中でも馴染みが薄い「角印」についての基礎知識や角印が必要なケースについて解説していきます。
21mm・24mmのサイズで作成するのが一般的な角印は、請求書や納品書など色々な用途で捺印する印鑑として万能な役割を持ちます。かたや、必ずしも作成する義務がない印鑑の種類なので本記事で個人事業主に角印が必要となるケースを一緒に確認していきましょう。
- 角印は全ての個人事業主に必要ではない
- 公的機関や区役所に提出する書類は角印がなくても問題ない
- 請求書の発行や法人と渉外する事業を営む個人事業主は作成しておくと後で手間がかからない
個人事業主で角印が必要になるケース
冒頭でも紹介していますが、個人事業主として事業をスタートする場合、角印がなくても問題ありません。
角印は業務上の認印としての用途で使うケースが多いです。請求書や領収書などに捺印するため利用頻度は実印よりも圧倒的に高くなりますが、個人事業主によってはこれらの書類を作成する業務がないケースも非常に多いため、必ず作成しなくても問題ない仕組みになっています。
なお、法人は角印を使用しているイメージを持つ人も多いと思いますが、会社として法人設立をするケースでも必ず角印が必要となるわけではありません。法人として会社を経営する方が角印の利用頻度が高いだけの理由です。
個人事業主が角印を作成する必要性が生じる主なケースは下記の通りです。
個人事業主が角印を作成した方が良いケースを順に確認していきましょう!
請求書・見積書などに捺印するケース
請求書・見積書や納品書など会社が発行する書類関連に角印で捺印するのが一般的です。特に法人に請求書を発行する個人事業主なら屋号入りの角印を作成するのが良いです。筆者も法人として請求書を発行する際は電子印鑑として登録している角印を印刷時に捺印して請求書を顧客に送付します。
角印がない請求書でも問題はありませんが、一般的に角印を捺印した状態で請求書を発行するのが一般的なため、請求書を受け取る担当者が高齢の場合、ビジネス常識がない個人事業主というイメージを持たれてしまうリスクもあります。
販売した商品やサービスの請求書を発行するような事業を行っている人は、角印を作成しておきましょう。
紙の領収書を発行するケース
請求書同様に紙の領収書を発行する時にも角印を捺印するケースは多いです。レジから出てくる電子領収書などは担当者の認印を押すケースも多いですが、業種によっては手書き領収書に角印を捺印して発行するケースも多いです。
紙の領収書を発行するときは、屋号入りの角印があると使い勝手が良く担当者の個人名の認印よりも信頼感が高くなるのでおすすめです。
法人企業への営業や契約など対外的な取引が多い
法人企業への営業や契約など対外的な取引が多いケースでも角印を作成しておくのが良いでしょう。事業を行う中で急ぎで角印が必要になる可能性も往々にしてあります。
個人事業主でも対外的な取引が多いなら、事業をスタートする前に作っておくと角印が必要な時にスピーディーにカバーすることができます。個人事業主なら屋号入りの丸印でも代用することはできますが、やはり用途に合った印鑑で捺印するのが自然です。
個人事業主としての体裁や印象を良くしたい
個人事業主やフリーランスの場合、取引ができない大手企業は少なからず存在します。取引先企業が大きい会社であればあるほど、与信調査(信用度調査)を行うケースが多いです。
個人事業主としての与信調査をクリアしても担当者への体裁や印象が良くないと取引先対象から外れてしまうこともあります。そのようなことを避けるためにも保険目的で角印を作成する考え方もあります。
本格的に事業を推進していくならあっても損しないビジネスアイテムです。体裁や印象を良くしたい人は、角印を作成する必要があります。
屋号を決めて本格的に事業を推進していきたい
屋号入りの事業印鑑(丸印)を作成する個人事業主は、本格的に事業を推進して大きく売上を確保してゆくゆくは法人成りも視野に入れている人が多いでしょう。そのような時は事業スタートのタイミングで事業印鑑と共に銀行印、角印の3本セットを作成するのがおすすめです。飲食店などを開業する場合、住所ゴム印も一緒に作成して印鑑開業4本セットを作成するのも検討する価値があります。
角印を作成する時に知っておきたいポイント
角印を作成するときの注意点をいくつか確認していきましょう。
角印は屋号入りの事業印鑑と共に作成すると良いです。サイズや印字できる文字数の上限などは購入する通販サイトで確認できる仕組みになっているので、過度な心配は不要です。
角印のサイズは21mmと24mmが使いやすい
四角くて持ち手がしっかりしている角印のサイズは、15mm〜27mmのサイズ(もっとも多いのは21mmと24mm)で販売している店舗が大半を占めます。筆者も過去に法人名義で角印を作成したことがありますが、21mmのサイズで作成しました。
角印のサイズによって入れることができる屋号の文字数は異なります。通販サイトや作成する機械や印材によって多少の変動はありますが、角印に入れられる文字数の目安を一覧にまとめました。
サイズ | 文字数 |
---|---|
15mm | 12文字(漢字・ひらがな・カタカナ) 16文字(英数字) |
18mm | 16文字(漢字・ひらがな・カタカナ) 20文字(英数字) |
21mm | 20文字(漢字・ひらがな・カタカナ) 25文字(英数字) |
24mm | 28文字(漢字・ひらがな・カタカナ) 30文字(英数字) |
27mm | 36文字(漢字・ひらがな・カタカナ) 40文字(英数字) |
上記の通り、サイズが大きくなればなるほど印字できる屋号の文字数も増加していきます。なお、角印のサイズが大きくなるにつれて価格は高くなります。
手にフィットする大きさ、ちょうど良い文字数なども総合的に考慮して21mm〜24mmの角印を購入するのが良いでしょう。
角印は英語や英数字でも作成できる
上述している一覧表にも記載がある通り、アルファベット・英数字での角印作成も可能です。漢字・ひらがなよりも印字できる文字数が多いのでサイズが小さい角印でも代用可能です。ただし、角印のサイズが小さすぎると捺印しづらいなどのデメリットが生じてしまいます。
一度作成したら長年使用するビジネスアイテムなので、印字できる文字数だけにとらわれずに実用性や使い勝手の面も重視するのが良いでしょう。
角印が安く買えるおすすめ通販
角印の価格帯は、5,000円台から購入できる通販サイトが多いです。柘などの高品質で安い印材を使用した印鑑だったら最安値で買えますが、オランダ水牛やチタンなど高級感溢れるリッチな印材を使用した場合、30,000円前後の価格帯になることが多いです。
角印は、事業印や銀行印もセットで購入できる印鑑セットとして購入するのが安く購入する秘訣です。
下記記事で印鑑卸業者が手掛ける格安印鑑を解説しています。はんこプレミアムなどの卸業者は30,000円を超える高級ブラスタチタンやオランダ水牛の角印も半額以下の11,000円〜15,000円で購入できます。
さらに柘などの木製印鑑なら破格の3,000円台、個人事業主用の印鑑3本セットなら8,000円台から購入可能となっています。
ぜひ、下記記事からあなたの用途に合った印鑑が購入できる通販サイトを比較してください!
⇒⇒印鑑を安く購入できる店舗を一覧比較!どこで買うのが一番安いのか学ぼう
まとめ
いかがだったでしょうか。個人事業主に角印が必要なケースを解説しました。
個人事業主にとって角印が必要でないケースも多いです。そのため、あなたの事業内容や目的に応じて角印を作成する必要があるか確認してください。
最後に本記事の重要ポイントをおさらいしましょう!
- 角印の作成は個人事業主の任意の判断で問題ない
- 事業を行う上で法律で義務化されて作らなければいけない強制力は一切ない
- 法人取引が多い個人事業主は作成しておくのが無難